大手銀行のAIアカデミーを技術面から支援。建築設計士からエンジニアに転身したMさんが、「教える」仕事で得たもの
目的AIを活用する発想を銀行全体に広める
支援体制アカデミーの技術支援とアフターサポート
成果業務改善AIを開発
誰でもAIエージェントを作れる時代へ。大手銀行が仕掛ける全社的なDX改革の推進役となる社内アカデミー※で、受講者を技術面から支えているのが、建築設計からエンジニアに転身したMさんです。銀行のAI活用の現場で何を担い、どんな力を得たのか。お話を伺いました。(取材:2026年10月)
※アカデミー:AIエージェントを実際に実装できるまで教える研修企画

OVERVIEW
支援案件の概要
| 案件内容 | 大手銀行のローコードAIエージェント開発ツール導入に伴う、社内アカデミーの技術支援・アフターサポート |
|---|---|
| 案件の規模感 | 全国複数拠点で年4回開催、各会場それぞれ定員30名・期間1か月半のアカデミー |
| ご支援体制 | AIエージェント開発の具体的な技術を支援。アカデミー後のアフターサポートを担当 |
| 案件の目的 | 業務時間の削減や営業活動の支援を通じて、AIを活用した発想を社内に広めること |
| ご支援効果 | コールセンター向けのナレッジ検索・エスカレーション自動化チャットボットなど、受講生が業務改善のAIエージェントを開発 |
CAREER
建築から、エンジニアの道へ
── これまでのご経歴を教えてください。
Mさん大学では建築を専攻していて、卒業後は設計事務所に就職しました。ただ、建築業界には昔ながらのやり方が多く、働くうちに「もっと効率よくできないか」と考え、業務改善に興味を持つようになりました。そこからプログラマーを目指すようになり、設計事務所で2〜3年ほど働いたあと、エンジニアに転職しました。
── エンジニアから、今の仕事に移ったきっかけは何ですか。
MさんSES企業でプログラマーとして1年半ほど働きました。その間に、AIが本格的に仕事で使われるようになって、「自分もこの流れに乗らないといけない」と思うようになったんです。ただ、SESでは現場のやり方によって、AIを仕事で使えないことも多くありました。このままでいいのかと悩んでいたときに、この仕事と出会いました。
── 最初から今の仕事に興味があったのですか。
Mさん実は、最初はあまり興味がなかったんです。紹介されたのはプログラミングの仕事ではなく、ローコードのAIエージェント開発ツールの使い方を教える仕事だったので。でも、以前ある動画で見た「時代に合わせて、身につけるスキルを変えていく必要がある」という言葉を思い出して、「今がそのときかもしれない」と思い、チャレンジすることを決めました。
PROJECT
銀行全体に「AIで考える」文化をつくる
── 現在参画している案件について教えてください。
Mさん大手銀行が、ローコードでAIエージェントを作れるツールを社内に導入するプロジェクトです。私は技術担当として、開発の支援をしています。
── どのような形で導入を進めているのですか。
Mさん社内でアカデミーを、全国複数拠点で年4回開催しています。1回あたりの定員は30名で、期間は1か月半。9月初旬から10月中旬にかけて行われた回では、チームごとに業務改善のハッカソンに取り組みました。
── 実際にどんなAIエージェントが生まれましたか。
Mさんたとえばコールセンター向けに、社内のナレッジを検索して回答し、解決できなかったときは上司にチャットでエスカレーションして、その内容を自動でナレッジに登録するチャットボットが開発されました。
── プロジェクトが目指しているものは何でしょうか。
Mさん業務時間の削減や、過去のお客さま情報を活かした最適な商品提案といった営業サポートが目的です。ただ、最終的なゴールは、AIを活用する発想を社内で活発にしていくことにあります。
EXPERIENCE
受講者の「その後」を支える、先生のような存在
── Mさんはどんな役割を担っていますか。
Mさん案件の終盤にあたる10月から参画しました。アカデミーを修了して、実際にツールを触り始めた受講者からの質問に答えるなど、アフターサポートを担当しています。ポジションとしては、コーチや先生に近いですね。
── 大変だったことを教えてください。
Mさん参画するまでに、現場で使われている研修教材を一通り学ぶ必要があり、最初の学習は大変でした。でも、やっていくうちに少しずつ要領がつかめてきました。
── やりがいを感じるのはどんなときですか。
Mさん受講生から質問を受けて、その問題を解決できたときです。それから、この現場では、エンジニアは私たち支援側だけなんです。SESのときはまわりもみんなエンジニアだったので、環境がまったく違います。だからこそ、エンジニアとしての技術的な知見や経験が役に立つ場面が多く、そこにやりがいを感じています。

SKILL & SUPPORT
先輩メンターと現場での実践から学ぶ
── 新しいツールを、どのように学んでいますか。
Mさん参画前から、現場で使われている研修資料を一通りこなしました。わからないところは、先に参画していた先輩メンターに色々と教えてもらいました。
── 現場に入ってからはいかがですか。
Mさん受講生から質問を受けて、その場で調べて答える。それを繰り返しながら学んでいきました。現場には同じ会社の先輩メンターもいたので、どう対応しているのか、現場ではどう進めるのかといったことを、自分から聞いたり教えてもらったりしながら身につけていきました。
GROWTH
新しい技術と、「人に教える」という経験
── 案件を通じて、どんなものが得られましたか。
Mさん一つは、ローコードのAIエージェント開発という新しい技術に触れられたことです。もう一つは、業務として人に教える経験ができたこと。どちらも、エンジニアとして働くだけでは得にくいものだと感じています。
FOR YOU
「エンジニアとしての素質と、教えることへの興味を併せ持つ人」におすすめ
── どんな方におすすめしたいですか。
Mさんまずは、エンジニアとしての素質がある人です。具体的には、次の3つが大切だと思います。
1. 問題を小さく分解できる
大きな課題も、手をつけられる単位まで細かく分けて考えられること。
2. 粘り強く楽しんで取り組める
すぐに答えが出なくても、あきらめずに向き合い続けられること。
3. 自らキャッチアップする姿勢がある
わからないことを、まず自分で調べて解決しようとする姿勢です。
そのうえで、「人に教えることや、誰かの成長をサポートすることに興味がある」という方であれば、これ以上ないやりがいを感じられるはずです。技術と人の両方に向き合いたい方と、AI活用の最前線で伴走者として一緒に活躍したいと思います。